いろいろ空想してそれを文字にしています。haiku、10行の話、空想レシピなど。
by 空想家sio


薔薇を喰ひ青年となる狐かな(haiku兎穴)

b0312706_20064024.jpg haiku兎穴。






 


ここは黒いマントとシルクハットの紳士が
空想の森の奥に掘った穴(hall)

今夜も文字たちが落ちてきます。

光る石のように、アイスキューブのように。
或いは、雪のように。



紳士が熱い紅茶を淹れている。

「今夜は狐が来ている」と言う。


見ると、奥の革張りのソファに
りゅうとした身なりの
襟高の灰褐色のスーツを着た青年がいる。

紳士は、彼を於菟(オットー)と呼んでいる。

紅茶を淹れ終え、紳士が文字を詠む。

朗々と、詠う。


薔薇を喰ひ青年となる狐かな

薄青の尾の青年ぞ、菓子店より観る

於菟(オットー)と名乗り、凩の煉瓦を歩く


(紳士の詠むhaikuを聞き
青年は黙って、微笑んだ。

紅茶には手をつけていない。
狐のくせに、猫舌らしい)




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by houki666 | 2014-01-24 20:10 | haiku兎穴(紳士と共に)
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