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by 空想家sio


嗚呼それは恋だったのだ、冬菫(haiku兎穴)

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 haiku兎穴

 ここは紳士が森の奥に
 掘ったHALL(穴)。
 
 文字たちが集う秘密の場所 
 文字たちは髭の紳士の
 マントに抱かれて囁き合う。



本日、紳士は子守をしている。

小さなお嬢さんを膝にのせ、
昔話を聞かせている。

そういえば、このお嬢さん、
赤いマントを着ている。

頬は薔薇色で、紳士へのお土産にと
籠に葡萄酒とパンを詰めている。

昔話が終わり、紳士の膝で
お嬢さんはあくびをする。

訪れる可憐なる睡眠。
可愛い膝がぶらぶらと揺れる。


そうっと、紳士が
文字たちを詠み上げる。

(お嬢さんを起こさないように)


可愛い娘を食べた狼の骸に
(その血の滴る腹に)
紳士が、句を詠み上げる。


嗚呼それは恋だったのだ、冬菫


恋だったのだ、とわたしも思う。

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by houki666 | 2014-02-09 13:02 | haiku兎穴(紳士と共に)
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