いろいろ空想してそれを文字にしています。haiku、10行の話、空想レシピなど。
by 空想家sio


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冬尽くやオルガンを弾く瞼美し(haiku兎穴)

b0312706_21510181.jpg haiku兎穴
 


 今夜も紳士と共に、
 この深い穴の底で
 文字たちの醸す、景色を見る。

 


紳士は今夜、ひどく若く見える。

金色の髭を剃った顎は陶器のごとく艶やかで、
その顎の先は若鹿の蹄のよう。

貝のような瞼を持つ娘が
遠慮がちに、紳士を見つめている。

その肖像画はまるで写真のようだ。

いや、娘はそこで生きている。
時を止めるために、画となった娘。

恋故に、自分をそこに閉じ込めた。


これはあなたの恋人?
わたしは紳士に聞いた。

紳士は笑って、首を振る。
そして、句を詠み上げる。


冬尽くやオルガンを弾く瞼美し

地下食堂一片の肉を嚼み数式を解く

緋と紺のマント風花にすれ違ふ


美しき恋の記憶、冬の終わり。
紳士は時に嘘をつく。


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by houki666 | 2014-01-31 22:07 | haiku兎穴(紳士と共に)

BYE-BYE おしゃれストリート(65行DEお話)

「マジすか?」

わたしがこの町を出ると言ったら
キクズ(本名葛岡元樹、26才芸人志望)が
びょーんとその細いカラダをのけぞらして驚いた。

「憧れて住んだ町だったんじゃないんすか?
アルバイト掛け持ちして家賃払って、会う人会う人に
わたし、あそこの住人なの、って自慢してた癖に!
そいでもって、えっ?あそこに住んでるの?
おっしゃれ~!!、て言われるのが
澪さんが唯一、生きてる感を発動できる瞬間だったのに~!?」

キクズは容赦が無い。
痛いところを連打で突いてくる。

(確かにわたしは美容院でも行きつけのカフェでも
SNSでも、○○在住ということで、自分を語ってきた。
仕事を聞かれても、むむむ、とごまかし、
ひたすら街の話題を振り、オーガニックでナチュラルで
それでもって可愛いもの好きのアーティストの雰囲気を装ってきたのだ)

「うるさいっ!」

わたしはキクズの口を作ったばかりのおからの煮物で塞いだ。


わたしは○○町から少し離れた巨大団地の近くにある
庶民派スーパーのお総菜コーナーでアルバイトとして働いている。

週5日、8時間労働。頭には白いきのこのような帽子をかぶり
マスクをしてゴム長を履いて(女子とは思えない格好)朝8時から働いている。

「そういうことで明日は引っ越し。ここ休むから頼むね」
「了解っす、おから、うまっ!」(おからはキクズの好物だ)



引っ越しのトラックがやってきた。
単身者用引っ越しなので、青いつなぎを来たお兄ちゃんが
ドライバーをかねて、独りでやってきた。

お兄ちゃんはてきぱきと働き、ものの30分で
荷物をトラックに積み、それじゃ向こうで、と行ってしまった。

(向こうとは隣の市に新しく借りたアパートだった)

わたしはアパートを出、不動産屋に寄り、鍵を返し、
敷金の半分を返してもらい、(半分は返ってこなかった)
小さな鞄をひとつ肩に提げて、駅に向かった。

3日に一度は無理をしてでも通った、
お気に入りだったcafe【焦げ黒】の前を通った。

インク壺や壜を買ったアンティーク雑貨店【贅沢貧乏】の前を通った。

店員さんと仲良くなった花屋【翠】の前を通った。

そして駅の改札を通った。


わたしは自分が泣くかと思った。
この町を去れば、わたしはもう、ただの日下澪になってしまう。

28才の、イラストレーター志望といいつつ、
ちっとも芽が出ないで(いくつ賞に出しても良い結果は出ない)
スーパーのお総菜コーナーとレンタルDVD店で働く、
キクズと専門学校時代の友達数人としか話さない、
ストレスにきびに悩む、地方出身のただのオンナになってしまう。

そして、雑誌やWEBで頻繁に紹介される、
カフェや絵本専門店やパンケーキ店、カレー店
北欧風の定食屋さんは、もはやご近所ではなくなり、
【そこに頻繁に通うおしゃれなワタシ】を、
もう、わたしは発信できなくなる。

涙を待った。


b0312706_10254459.jpg










10分後、わたしはなぜかすんなりと電車に乗り(泣かなかった)
さらに30分後、急行の止まらない小さな駅で降りた。

新しく借りたアパートに行き、
(階下には足の悪いおばあさんが住んでいた)
窓を開け、引っ越しのトラックを待った。


トラックを待つ間、わたしは手帳を出して、
3色のボールペンで小さな絵を描いた。

小さな女の子の絵だ。
女の子の顔の横に吹き出しをつけた。

おかえり、と書いてみた。

ただいま、というわたしの声が
何も無い部屋に響いた。


ただいま。


(65行DEおしまい)



※またも10行で収まらず、今回は65行になりました。
次回は10行で収めたいなあ。












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by houki666 | 2014-01-31 10:29 | 10行de話(あなたの隣に)

欲望には忠実に(10行DEお話・番外編)

なぜわたしは、毎日仕事の帰りに
書店に寄ってしまうのだろう。
島崎奈央は改めて考えてみた。

毎日本を買うわけじゃない。
ただ書店のなかをぐるりと一回りして
新しい本があればそれを手に取り、
見慣れた本にはちらりと視線を送る。

そして満足して帰る。

今日は寄らないぞと思っても
駅前には3つも書店があって、
そのどれかに吸い寄せられてしまう。

それを友人の富田柚凛(ゆりん)に話してみた。
柚凛は無責任にも、こう分析した。

「あんた、男を探してんじゃない?」

わたしはびっくりした。

確かにわたしはここ数年、カレシがいない。
というか、この10年、仕事先以外では
男のひとと話したこともない。

しかし、それとこれとは違う気がした。

でも、柚凛は強固にそれが正解だといった。
柚凛は仕事をしながら、大学(心理学専攻)に通い、
独自の精神分析法を編みだそうと日々奮闘していた。

「だってさ、大昔に生きたオヤジたちが
男の視点で作った心理分析なんて
アタシたちに適うワケないじゃん」

それが柚凛のぶれることない主張だった。



その夜、夢を見た。

わたしは書店のなかを歩いていた。
いつも通り新しい本を手に取り、
見慣れた本にちらりと視線を送った。

本はすべて男の姿をしていた。

文学書は茶のツイードの背広を着て眼鏡をかけていた。
詩集は白い襟のシャツを着て長い指を顎にかけていた。
写真集は真っ黒なセーターを着て黒い髪を後ろに撫で付けていた。
新書は栗色のコートを着て、煙草を吸っていた。
音楽雑誌は色とりどりのチェックの衣装を着た5人組だった。
漫画は男子校のひとクラス分だった。

目が覚めて、すぐに柚凛にメールをした。

柚凛はそれでいいのだ、と言った。

「それがあんたの欲望なのよ
欲望に忠実になること、それが正しい生き方よ」


b0312706_10175061.jpg









2年後、わたしは小さな書店を開いた。
わたしが気に入った本だけを売る、
新刊も扱う古本屋(セレクトショップ)だ。

予算不足で、駅から少し離れた
辺鄙なところに開店したのだが、
なぜかいまのところ繁盛している。


来店するお客さまは皆、女性で
店の中を一回りしながら、新しい本を手に取り、
見慣れた本にちらりと視線を送る。

そして、わたしに言う。

「今日はこのコを連れて帰るわ」
「あのヒトもいいわね」

彼女たちにも、見えているらしい。


先日、同業者の会があり、それに出席した。
隣に座った男性がわたしに言った。

「大変な目利きだそうですね」

わたしはうなずいた。

何しろ、わたしには見えているのだ。


60行DEおしまい)



※今日は10行×6の60行DE話となりました。










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by houki666 | 2014-01-29 10:20 | 10行de話(あなたの隣に)

大魔法使いペトロジリウス・ツワッケルマンと。(空想ごはん)

30年ぶりに会うことになった
大魔法使いペトロジリウス・ツワッケルマン
大銀杏の木の下で待ち合わせした。

彼は突出して目立つ(何しろ魔法使いなので)ので
わたしは思い切り、地味な格好をして行った。

ベージュのセーターに黒いスカートを履いて
黒と白の千鳥格子のマフラーをして行った。

案の定、ツワッケルマンは箒に乗って
大銀杏の木の上から現れた。

はらはらと銀杏の黄色い葉を散らし、
急降下して、「プリヴィエート!(露語でやあ)」と言った。

(なんと派手な登場の仕方!)

わたしはため息をついた。
多分、彼は変わっていない。


ツワッケルマンはわたしのマフラーを誉めた後、言った。

「それで何を食べようか?」

わたしは答えに窮した。

(どうせ彼はじゃがいも料理を食べるに決まっているのだ。
妻だったわたしをじゃがいもの皮むき機械にみたいに扱って、
洗い桶いっぱいのマッシュポテトや百もの芋団子を作らせたのだから)

ツワッケルマンは黙っているわたしの顔を覗き込んで言った。

「もし、きみがなんでもいいというのなら、
ロシア料理でもいかがかな?温かいボルシチでも」

わたしは赤くなった頬をマフラーで隠し、頷いた。

(何かを、こうだ、と、勝手に決めつけていて、
それがあっさりと外れたときの恥ずかしさったら!
銀杏の葉に埋もれて地球の裏側までもぐりたくなった)



数分後、(箒に乗ればどこでもひとっとび)
ツワッケルマンとわたしはロシア料理店にいた。

バラライカが美しい音色を奏でているなかで、
ピロシキを食べ、ボルシチをゆっくりとすすり、
ロシア風の餃子も食べた。


ツワッケルマンはとても紳士で、店員に、
「このご婦人にロシア風紅茶を」というほどだった。

(以前、彼はわたしを、ばか、腹の立つ奴め、
としか呼ばなかった。なのに、ご婦人、だなんて。)


食事の後、彼は

「自分は今、ロシアに魔法技術学校を開設して
そこで校長をしている」

と言った。

そこで世界中から集まったたくさんの魔法使い候補に
魔法を教えているのだ、と。

「校長なんだ」

(ダンブルドア校長ならぬ、
ツワッケルマン校長なのらしい)

「へえ、それはすごいわ」

彼がひとにモノを教えることができるだなんて
本当に意外だった。


彼は両手の指をテーブルの上で組んで、
静かなまなざしでわたしを見、

「良い魔法使いをたくさん育て、世界の平和に役立てたいんだ」

と言い、それがきみへの償いにもなるだろう、と微笑んだ。


かつての夫、大魔法使いツワッケルマンはすっかり善人になっていた。

(多分、スズガエルの沼の黒い水に浄化作用があったのでしょう)



アパートに帰って、彼の作ったという魔法学校を
Googleで検索してみた。

りっぱなホームページがあり、ロシア語、英語、ドイツ語
日本語、その他7カ国語で読めるようになっていて、
わたしは日本語でじっくりとそれを読んだ。


ベッドに入って、

(精油を垂らしたお茶をゆっくりと飲んだ。
わたしは魔法使いの妻だったので、薬草や
精油には精通していた。今はそれを仕事にしている)

わたしは独り、くすくすと笑った。

魔法学校の初級生の魔法の授業に
「じゃがいもの皮むき」があることを知り、笑った。


かつての夫大魔法使いペトロジリウス・ツワッケルマンは
(ツワッケルマン校長は)

その魔法を習得するにあたって注意することを述べていた。


「じゃがいもの皮むきといった、自分でもできることを
魔法によってやろうというのはあまりよくないことです。

誰かのためにじゃがいもを剥く、、
或いは、誰かがあなたのためにじゃがいもを剥く、
ということは、実は人生において大変すてきなことなのです。

もしあなたがたがこの魔法を習得しても、
愛するひと、大切なひとのために
時々、じゃがいもを剥いてあげてください。

そのほうが実はおいしいのですよ」


                                                                   (fin)


(このお話に出てきたお料理)

マッシュポテトと芋団子(記憶のなかで)
ピロシキ(中は肉と野菜)
ボルシチ(サワークリーム添え)
ロシア風餃子(青い玉葱のようなポットに入っていた)
ロシア風紅茶(ジャムをたっぷり)
精油を垂らした紅茶(檸檬とローズマリー)
誰かのために剥くじゃがいも(未来のために)





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by houki666 | 2014-01-28 17:09 | 空想ごはん(何がご馳走?)

探偵フランネル(10行de話)

探偵フランネルは退屈だった。
眠ろうと思ったが、それはどだい無理だった。

何しろ、さっきまで寝ていたのだ。

暇つぶしを探した。
本は全部読んでしまった。
趣味はアイロンがけだが、布巾に至るまで全部かけてしまった。

冷蔵庫を覗くと、母親が買ったのか、もやしがあった。
探偵フランネルはもやしの根を取ることにした。

すべての根を取り、時計を眺めた。


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探偵と名乗り始めて5時間と37分20秒、フランネルは未だ退屈だ。


(10行DEおしまい)












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by houki666 | 2014-01-27 16:29 | 10行de話(あなたの隣に)

鹿埜類詩集2 【ストレンジ・猫】

 【ストレンジ・猫】(1stアルバム「幻燈会」より)

   奇妙な猫に会ったんだ
  いつものバス停で
  バスに乗って街へ行くのだと言う
  奇妙な猫が言うことには
  ぼくらは透明な膜に守られ
  日々、退化しているのだという
  猫はそう言ってあくびした


  奇妙な猫に会ったんだ
  毛並みは上等だ
  実は金持ちの息子なんだと言う
  奇妙な猫が言うことには
  ぼくらはバリケードを突破して
  日々の向こうへ行かねばならない
  死を思えば、なんでもできるのだ

  アジテーション!レボリューション!
  アジテーション!レボリューション!

  奇妙な猫はいつまでも
  バスに乗らなかった。
  最後のバスが出ても、そこを立たなかった。
  奇妙な猫は、ポケットから
  つぶれたクリームパンを出して
  日々の糧を得るのは大変だ、
  餓死は辛いのだ、とぼくにそれを半分くれた

   アジテーション!レボリューション!
  アジテーション!レボリューション!

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 HP「鹿埜類幻燈博覧館」管理人鴉氏による、注釈。


  鹿埜類のファーストアルバム「幻燈会」において、
  一番センセーショナルだったのは、
  アルバムの2曲目を飾った
  「ヘンゼル1986」だった。
  満を持して3枚目のシングルとしてリリースされ、
  ドラマの主題歌にもなった。
  (今、そのドラマは主演女優がドラッグ所持で
  逮捕されたことで再放送は控えられている)
  確かに「ヘンゼル1986」は
  その過激な歌詞においても
  鹿埜類の黒づくめの衣装と
  破壊的なピアノ演奏においても衝撃的だった。
  が、それは多分に演出的で
  人によっては鼻白むこともあっただろう。
  実は、このわたしもそのひとりだった。



  (テレビのランキング番組で見た鹿埜類は、
  テレビ局が天井から降らせた、ちぎったパンに
  見立てた紙きれをピアノの鍵盤から拾いながら、
  一心に、「ああ、今夜ぼくは棄てられた」と歌っていた。
  わたしはそこに過剰な演出を感じ、
  鹿埜類という17才の少女を僅かに軽蔑した。
  あの時の鹿埜類はまるきり無防備で、
  奇妙なアイドルと作られようとしていた)


 
 
 しかし、その後わたしの鹿埜類への評価は一変する。
  この「ストレンジ・猫」を聞いたからだ。 
  その頃わたしは鹿埜類よりも2才年上の大学生で、
  あの頃でいうところの「レンタルレコード
  &CDショップ」でアルバイトをしていた。
  キングクリムゾンなどの洋楽ファンであったわたしは
  鹿埜類のアルバムは客に貸すことはあっても
  聞くことは無かった。
  が、ある日、客が
  「このCD、7曲目、飛びますよ」と言い、
  それが「ストレンジ・猫」だったのだ。

  

  
エッジの聞いたギターで始まるこの曲は、
  このアルバム内で鹿埜類が唯一
  ピアノを弾かずに歌っている。
  ボーイソプラノを思わせる声の鹿埜類が、
  間奏のギターの、爆音に対抗するように
  アジテーション!レボリューション!を叫び、
  その後、発情期の猫のごとく短く鳴く
 (鹿埜類は猫の鳴き声がすこぶる上手だった)
  声を聞いたとき、わたしは
  rockアーティストとしての
  彼女を「発見」したのだった。

 
 
  
【ストレンジ・猫】は鹿埜類も気に入っていたらしく、
  よくリサイタルで歌った。
  後に【鹿埜類】の保護者兼夫となった、
  ギタリスト岸田蒼汰を従え、何度もシャウトした。
  (実に気持ちよさそうだった)
  鹿埜類自身は、ベストアルバム「鹿埜類」の
  ライナーノーツでこの曲についてこう短く書いている。


 
 
「歌詞を書く愉しさを知ったのは、この曲で、でした。
  この奇妙な猫は今もぼくのこころに住み着き、
  時折、ポケットにクリームパンを入れて
  バス停でぼくを待っているのです。
  まだ革命を信じているのです」


 
  
餓死は辛いのだ、と歌った鹿埜類が
  実は、深刻な拒食症を患っていた、と知ったのは、
  鹿埜類が45才でその命を閉じてしまった後であった。


 
  
26才で、突如と音楽活動から遠ざかり、
  わたしたちの前から姿を消した鹿埜類が、
  夫となった岸田蒼汰の献身的な保護の元
  それから20年生き伸びられたことを
  今なら、感謝すべきだろう。

  
  
ちなみに、無類の猫好きだった鹿埜類が
  命を閉じる直前まで可愛がっていた猫の名は
  【クリーム】だったという。 


 HP【鹿埜類幻燈博覧館 鴉随想より】
       




  
   
  
 

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by houki666 | 2014-01-25 22:40 | 鹿埜類詩集(吟遊詩人)

ふくろうのグラウコーピスくん(sioMAP)

空想家sioの頭のなかには、たくさんのひとや
熊、或いは空想を食べて生きるねずみなどがいて、
それぞれの場所で、暮らして居ます。

ここでは、そんな住人たちをご紹介します。

ただご紹介するのではおもしろくないので、
履歴書風に紹介しましょう。


まずは、今日から再び書き始めたオハナシの主役
ふくろうのグラウコーピスくん

希望職種はオルゴール職人

信州の森にある工房に履歴書を送ります。


名前     グラウコーピス(ふくろう)

生年月日   春のある日

現住所    廃屋となっていた人家の屋根裏部屋

旧住所    伯父セレニテス(科学者)の住む巣穴

学歴     祖父ホメーロス(哲学者)より、人語、人の文字を習う
       伯父セレニテスより、数学、理科の知識を習得

職歴     無し
資格     無し

志望の動機 
      人家の屋根裏に住むようになり、ある古びた箱を開けたら
      それが突然鳴り出し、その音色の美しさに驚きました。
      家の階下に移り住んできた女の人の飼い猫、黒猫のマリア
      から、それが「オルゴール」というものだと教えられ、
      是非、自分でもそれを作ってみたいと思い、志望しました。

体験から得たもの
      幼いころに両親を亡くし、父の弟である伯父に育てられまし
      た。科学者である伯父との暮らしから、なにごとも冷静に受
      けとめ、粘り強く観察し、分析するという癖がつきました。
      この癖は職人としては悪い癖ではないように思われます。

特技など  
      料理、菓子作り(鼠の足の干物、蝉の砂糖衣かけ、など)
      漁(魚が好物で、夏は毎晩川へ行きます)
    
自己PR  
      自分が主役のオハナシのなかで、僕はこれからたくさんの経験 
      をするようです。黒猫の飼い主であるお嬢さんの辛い過去を知
      ったり、おばけふくろうのギーに出会って、そのギーを育てた
      おそろしいふくろうを追い詰めたりするのだそうです。
      また、後年ぼくは文筆家となり、この経験を本にして書き記す 
      のだそうです。ですので、ぼくはきっと貴社での経験も本にす
      ると思います。良い宣伝になると思います。
      ※ふくろうしか読めない本ですが。


グラウコーピスくんが就職できることを願います。
まずは面接にこぎつけると良いのですが・・・。


次回は元パン職人、
シングルマザーのツキコさん

就職活動をご紹介します。


   

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by houki666 | 2014-01-25 17:33 | sioMAP(住んでいるひとや熊)

ふくろうのオハナシからパン屋さん撤退!~sioの活動報告~

・今日からまたオハナシを書こうともくろんでいます。
 今月は小さな公募に3つ応募するため、(※しました!)
(枚数など規定のあるものを書いてみる練習をかねて)
 それに、書く時間をほぼ使ってしまったので
 なんとなく、仕切り直し、です。

・なので、今日から来月にかけては、以前書いていて、
 諸々の事情で書くのをやめてしまったオハナシを
 前に進めてみようと思います。
 ふくろうのオハナシと、パンを焼く女のひとのオハナシ。
 どちらのオハナシにもパン屋さんが出てくるのですが
 ふくろうのオハナシからはパン屋さんは撤退!
 そのほうが、テーマがはっきりするようです。


sioのヒトリゴト
今日は午後、面接があるのです。
どきどきします。

sioのヒトリゴト2
面接受かった!週3日8時間働きます。
残り3日は空想家として活動。
残り1日はオヤスミだ。

 
 

 

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by houki666 | 2014-01-25 10:30 | 活動報告

薔薇を喰ひ青年となる狐かな(haiku兎穴)

b0312706_20064024.jpg haiku兎穴。






 


ここは黒いマントとシルクハットの紳士が
空想の森の奥に掘った穴(hall)

今夜も文字たちが落ちてきます。

光る石のように、アイスキューブのように。
或いは、雪のように。



紳士が熱い紅茶を淹れている。

「今夜は狐が来ている」と言う。


見ると、奥の革張りのソファに
りゅうとした身なりの
襟高の灰褐色のスーツを着た青年がいる。

紳士は、彼を於菟(オットー)と呼んでいる。

紅茶を淹れ終え、紳士が文字を詠む。

朗々と、詠う。


薔薇を喰ひ青年となる狐かな

薄青の尾の青年ぞ、菓子店より観る

於菟(オットー)と名乗り、凩の煉瓦を歩く


(紳士の詠むhaikuを聞き
青年は黙って、微笑んだ。

紅茶には手をつけていない。
狐のくせに、猫舌らしい)




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by houki666 | 2014-01-24 20:10 | haiku兎穴(紳士と共に)

寒波襲来(10行de話)

もし、ペンギンを飼っていたら愉快かもしれない、
と、岸玄太は持っていたペンを置き、思った。

履歴書は残り1枚(7枚も書き損じている)しか無い。
しかも面接は1時間後で、30分前には家を出なきゃならない。

妻はとっくに会社に出かけ、台所のシンクには
あてつけのように、山ほどの食器が溜まっている。


b0312706_11182450.jpg









世界のどこかでは強力な寒波が襲来して
魚ごと、海が凍っていると言う。

岸玄太はソファに寝ころがった。

ペンギンがいたら、そいつとそこに行くのになあ。


10行deおしまい。


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by houki666 | 2014-01-24 11:26 | 10行de話(あなたの隣に)